お家で薬膳

国際薬膳調理師がお家で作る、薬膳料理や中国家庭料理を紹介する、「レシピブログ」です。

豆乳プリンと小豆汁粉

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香港スイーツ「豆腐花」(豆乳プリン)と「紅豆沙」(小豆汁粉)の『お家版レシピ』です。

香港のデザート専門店で、この「豆腐花+紅豆沙」二つの組み合わせは、ポピュラーな商品の一つです。

 

豆乳は、暑い夏に不足しがちな、体内水分を補う効能を、持ち合わせます。小豆は、夏の暑さや、湿気の対策となる効能を持ち合わせます。また、小豆汁粉で使用するハスの実、乾燥ユリ根は、不安な気持ちを落ち着かせ、寝苦しい夏に快眠を促す効果が、期待出来ると言われています。

…などなど、夏にお勧めのスイーツです。

 

~作り方~

〈豆乳プリン〉

  • 寒天(そのままで、お湯に溶けるタイプ)  4g
  • ゼラチン(そのままで、お湯に溶けるタイプ)10g
  • 水        210g
  • 豆乳(無調整)  400g
  • 牛乳       200g
  • 砂糖       50g

 

  1. 鍋に水と寒天を入れ、ヘラなどで混ぜながら、中火で沸かし、寒天をとかします。
  2. 弱火にして、砂糖を加え、沸騰しない程度の温度で、混ぜながら砂糖を溶かします。
  3. 弱火のままゼラチンを加え、沸騰しない程度の温度で、混ぜながらゼラチンを溶かし、火を止めます。
  4. 3.の液体を、漉して、大きめのボールに移します。
  5. 牛乳、豆乳を加え、手早く混ぜ合わせ、タッパーなどに移します。(牛乳、豆乳が冷たい程、早く固まり始めます。)
  6. 半日程、冷蔵庫で冷やせば、完成です。
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〈小豆汁粉〉 

  • ハスの実   10g
  • 乾燥ユリ根  5g
  • 陳皮     少々
  • 小豆     150g
  • 餅米     25g
  • 水      1.2㎏
  • 砂糖     175g

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  1. ハスの実、乾燥ユリ根、陳皮、小豆、餅米を半日程、水につけます。
  2. 鍋で水を沸かします。1.の材料をザルにあけます。陳皮は、細かくカットします。材料すべて鍋に入れます。
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  3. 軽く沸騰している状態で45分~1時間煮込みます。鍋底に焦げつなかいように、10分~15分おきに、ヘラなどで混ぜます。(材料が柔らかくなり、軽くとろみがつけば、OKです。)
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  4. 砂糖を加え、溶ければ完成です。あら熱をとり、冷蔵庫で半日程冷やします。

 

 

 

冷やし担々麺

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「冷麺」や「涼麺」と表記される「冷やし中華」は、本場中国に存在しない、日本発祥の中華料理です。ちなみに…エビチリ、エビマヨ、焼き餃子、中華丼…なども、日本発祥の中華料理と言われています。

 

蒸し暑い夏は、食欲不振に陥りやすい季節です。

担々麺は、辛味が特徴的な料理でもあります。その辛味となる唐辛子は、食欲増進の効果が、期待出来ます。

そして、添えたトマト、胡瓜は、夏の暑さ対策だけでなく、発汗作用などにより不足した、体内水分を補う効能を持ち合わせていています。

などなど…蒸し暑い夏に、お勧めの一皿です‼

 

 

~作り方~4皿分

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使用した中華調味料

〈担々冷麺用 胡麻ダレ〉

  • 芝麻醤   110g
  • 醤油    70g   
  • 酢     50g
  • 鎮江香酢  20g
  • 砂糖    35g
  • 水     120g
  • レモン汁  少々(目安3g)

 

  1. ボールに、芝麻醤以外の材料を合わせ、良く混ぜ合わせます。
  2. 大きめのボールに、芝麻醤を入れます。1.を少しずつ加え、混ぜ合わせます。
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  3. 冷蔵庫で半日程寝かせれば、完成です。

 

〈担々冷麺用 肉味噌〉

  • 豚挽き肉   250g
  • 甜麺醤    50g
  • 豆板醤    少々(目安2g)
  • 紹興酒(無塩)    小さじ1

 

  1. フライパンを温め、油を敷き、挽き肉を炒めます。
  2. 8割程、火が入ったタイミングて、紹興酒甜麺醤、豆板醤を加え、水分がなくなるまで、いためます。
  3. 油分を入れないように、バットに移し、常温に冷まします。
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  • 生麺(110g)       4玉
  • 担々冷麺用 胡麻ダレ  80g×4
  • 担々冷麺用 肉味噌      50g ×4         
  • トマト                     1ケ
  • 胡瓜          1本
  • 葱           適量
  • 糸唐辛子        少々

 

  1. トマトは、くし切り。胡瓜は、スティック状に。葱は細切りにカットします。
  2. 生麺を、長めに茹で、流水で洗い、氷水につけます。
  3. 2.の麺を絞り、器に盛り、胡麻ダレをかけ、肉味噌を盛り付けます。
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  4. 残りの野菜を盛り付け、お好みで、ラー油を回しかけます。

鶏肉と夏野菜のココナッツカレー

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「葡汁鶏」と言われるマカオの料理です。「葡」は、ポルトガル・「汁」は、ソースを意味します。マカオポルトガルは関係が深く、ポルトガルのカレーが、マカオで発展した料理と、言われています。なので、日本語表記になると「マカオ風ココナッツカレー」や「ポルトガル風ココナッツカレー」などと、書かれていたりします。

 

その「葡汁鶏」に、夏野菜の苦瓜、茄子、パプリカを組み合わせた一皿です。

苦瓜、茄子は、夏の暑さの対策となる効能を持ち合わせています。さらに、茄子は、夏の湿気の対策となる効能や、夏に陥りやすい食欲不振の原因となる、脾・胃の働きを調整する効能をも、持ち合わせていています。またパプリカも、胃の働きを調整する効能を持ち合わせ、食欲不振の対策ともなります。

その他、使用する食材の、ココナッツミルクには、暑さ、湿気、食欲不振の対策…カレー粉、唐辛子には、食欲増進の効果…等々、今の季節に必要な効能を多く、持ち合わせていています。

 

~作り方~ (4皿分)

  • 鶏モモ肉            1枚
  • 玉ねぎ              大1/2
  • 茄子                     2本
  • 苦瓜               1/2本
  • パプリカ              1/2ケ
  • 牛乳                200cc
  • ココナッツクリーム   200cc
  • 唐辛子             2本
  • カレー粉      大さじ2

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  1. 鶏モモ肉は、4等分。玉ねぎ、パプリカは、乱切り。茄子は、縦に4等分。苦瓜は、種を取り除き、幅1㎝程に切り分けます。
  2. 鶏モモ肉に、小麦粉を適量(目安大さじ1)まぶし、フライパンに油を敷き、こんがりと焼き上げます。このフライパンで、玉ねぎも、炒めておきます。
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  3. 鍋に、オリーブオイル(大さじ1)、カレー粉、唐辛子を入れ、弱火で炒め、香りを引き出します。
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  4. 鍋に、水400cc、ココナッツクリーム、牛乳を加え、沸かします。焼いた鶏モモ肉を加え、蓋をして、30分弱火で煮込みます。
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  5. 蓋を外し、炒めた玉ねぎを加え、20分弱火で煮込みます。

  6. フライパンに油を敷き、茄子、苦瓜、パプリカを、焦げ目がつく程度、焼き上げます。
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  7. 鍋に、焼き上げた野菜を加え、5分弱火で、煮込みます。塩(小さじ1/2程)、砂糖(小さじ3/4程)で味付けします。味が物足りない時は、旨味調味料を少々足します。皿に盛り付け、お好みで、ラー油をたらします。
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蒸し鶏の葱・生姜ソース

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中華レストランでは、定番の冷菜です。メニューには、「水晶鶏」「白切鶏」等と、表記されています。

その冷菜をアレンジして…

鶏むね肉を、しっとり柔らかく火入れし、オリーブオイルを、使用した葱・生姜ソースを、たっぷり乗せています。

葱・生姜は、消化吸収の働きを鍛える「健脾」と言う効能を、持ち合わせています。蒸し暑く「脾」の機能活動が弱り、食欲が落ちてしまいがちな今、さっぱりと食べられ、「脾」の機能活動の対策ともなるので、お勧めです。

 

~作り方~

  • 鶏むね肉    1枚(430g)
  • 長葱                      100g
  • 生姜      10g
  • オリーブオイル 35g
  • 大豆油     35g

 

  1. 長葱・生姜を、みじん切りにします。大きめのボールに入れ、塩4.5gと旨味調味料少々を加えます。オリーブオイル・大豆油を170℃程に温め、ボールに注ぎ、菜箸等で混ぜ合わせます。冷めれば、完成です。保存は冷蔵庫で、3日程は問題ありません。
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  2. 鶏むね肉を、厚さが均等になるように開き、日本酒適量に、30分程漬け込みます。

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  3. 鶏むね肉の表面を、ペーパータオルで拭き取り、丸めて、ラップで巻き上げます。
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  4. 鍋に、多めのお湯をわかします。ラップで巻いた、鶏むね肉を入れ、3分程弱火に掛け、火を止め、蓋をして30分おきます。
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  5. 鶏むね肉を取り出し、流水であら熱をとり、冷蔵庫で半日程冷やします。
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  6. 鶏むね肉を、薄くスライスして、たっぷりと葱・生姜ソースを乗せます。
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金針排骨湯

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台湾の家庭料理、ゆりの花とスペアリブのスープの『お家版レシピ』です。 

金針菜は、ゆりの花。乾燥した黄色のものは、「黄花菜」と言います。

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生の蕾や、乾燥した茶色の物もあります。

 

 

 

薬膳効能

金針菜の薬膳効能は、

  • 清熱→消炎、解熱等に働くこと。
  • 止血→出血を、止めること。
  • 利水→湿邪を、尿として排出すること。
  • 消腫→腫れ、ムクミを取ること。
  • 解毒→体内に蓄積する老廃物や病邪を取り除くこと。
  • 消癰→邪気が滞り経脈気血を塞ぎ、局部に化膿、腐乱などが表れる疾病の治療をすること。
  • 平肝→肝陽上亢による、目眩や耳鳴りなどの症状を平穏な状態にすること。
  • 補血血虚を治療すること。

となります。

「清熱」「解毒」は、冬にたまってしまった老廃物を、春に取り除くデトックスの手助けとなり…「平肝」「補血」は、春にダメージを受ける肝臓や血の対処法となります。

「利水」は、梅雨に身体に入り込みやすい湿邪を排出し、「清熱」は、梅雨の暑さの対策ともなります。

などなど…金針菜は、春から梅雨にかけてお勧めの食材です。

 

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材料   
  • 金針菜(黄花菜)   15g
  • スペアリブ                   4キレ
  • 干し椎茸        4枚 
  • 人参          4キレ
  • 生姜薄切り       4枚

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作り方
  1. 人参の皮を剥き、乱切りで4キレ準備します。金針菜を水に、浸けます
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  2. 鍋にお湯を、1.2㎏ほど沸かします。
  3. スペアリブ、干し椎茸、生姜を入れ、蓋をして、軽く沸いてる状態で45分、煮込みます。
  4. 椎茸を取り出し、じくを取り除き、半分にカットして、鍋に戻します。人参も加え、蓋をして、軽く沸いてる状態で20分、煮込みます。
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  5. 軽く絞った金針菜を加え、蓋をして、軽く沸いてる状態で、20分煮込みます。塩で、味付けします。味が、物足りない時は、旨味調味料、砂糖を少々、加えます。

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あさり炒飯 


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「定番の炒飯です‼」とは、言えませんが…中華レストランで見ることのあるメニューですよね。ターメリック(ウコン)を、ちょい足ししています。

 

五月病と言う言葉もあるように、春は、ストレスのかかりやすい季節でもあります。そんな、ストレスの薬膳的な対処法の一つとして…

  • 安神→心神の不安を、解消させます。
  • 解鬱→鬱積した状態を、解きほぐします。

の効能を持つ食材を、身体に取り入れます。

また、身体を覆う気の流れが良くなければ、ストレスも溜まりやすいと、言われています。その対策として、

  • 理気→気を、正常に巡らせます。 
  • 行気→気の巡りを、向上させます。

等の効能を持つ食材を、身体に取り入れます。

今回の炒飯は、

の効能を持ち合わせ、薬味のニラ、パプリカとターメリックが、気の流れを、正常に保つ働きを持ち合わせています。

 

<作り方>

  • アサリ缶(内容総量130g)     1缶(アサリは、半分使用)
  • 高菜漬物         30g
  • 葱                     15g  
  • ニラ                                15g 
  • パプリカ                  15g 
  • 生姜           5g 
  • 卵                  2ヶ
  • 米            2カップ(炊き上がり、半分使用)

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  1. アサリ缶は、汁とアサリに分けます。米を硬めに炊きます。この時に、アサリの汁も使用します。水の量は、アサリの汁も含め、米の重量と同量です。油(小さじ1)と生姜のみじん切り(少々)も加えます。
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  2. 高菜漬物、葱、ニラ、パプリカ、生姜は、細かく切ります。卵を溶きます。炊けた米は、半分使用します。アサリも半分使用します。
  3. 鍋をよく温めます。油(大さじ2/3)を入れて、弱火にして、生姜を炒めます。生姜の香りが出てきたら、卵を入れ半熟に炒め、米を加えます。
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  4. 中火にして、手早く混ぜ合わせます。塩(ティースプーン1/3)、ターメリック(2ふり程度)を入れ、アサリ、高菜を加え炒めます。
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  5. 葱、ニラ、パプリカを加え、醤油(ティースプーン1程度)で味付けし、葱、ニラ、パプリカに、火が通れば、完成です。

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トマト、じゃがいも、セロリ、人参と豚スペアリブのスープ

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中華風ポトフ。中国の家庭料理の『お家版レシピ』です。

 

 

薬膳効能

春、そして夏にも、おすすめのスープです。

春は、肝臓、脾臓の調子を整え、造血作用、陰を補う効能を持つ食材を身体に取り入れることが、基本の食養生の一つです。

トマト、セロリは、肝臓の調子を整え…じゃがいもは、脾臓の調子を整える効能を持ちます。人参、豚スペアリブは、造血作用を促進する効能を持ち、人参は、陰を補う効能をも、持ち合わせています。

 

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材料
  • トマト    2ヶ(250g)
  • じゃがいも  2ヶ(250g)
  • 玉ねぎ    1/2ヶ(100g)
  • 人参     1/2本(100g)
  • セロリ    1/2本(60g)
  • 豚スペアリブ 4キレ(300g)

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作り方
  1. トマトを8等分の、くし形切りにして、包丁で皮を剥く。
    f:id:hide8460:20210406151048j:imageこの皮を、お茶パックにいれる。
  2. 鍋に1.2㎏のお湯を沸かし、1.のトマトの皮入りお茶パックと豚スペアリブを加え、蓋をして弱火で45分、煮込む。
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  3. じゃがいも、玉ねぎ、人参の皮を剥き、じゃがいもは、芽を取り除き、食べやすい大きさにカット。セロリは、外側の皮を剥き、同様にカット。
  4. 鍋に3.の玉ねぎ、人参、セロリ、1.のトマトを加え、蓋をして弱火で30分、煮込む。
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  5. 鍋に3.のじゃがいもを加え、蓋をして弱火で15分ほど、じゃがいもに火が通す。トマトの皮入りお茶パックを取り除き、塩小さじ1/4ほどで味付け。
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