お家で薬膳

国際薬膳調理師がお家で作る、薬膳料理や中国家庭料理を紹介する、「レシピブログ」です。

チャーシュー丼

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専用の大きな釜で焼き上げたチャーシューを、白米に乗せた丼は、香港のポピュラーなB級グルメの一つです。

そんな香港式チャーシュー丼の『お家版レシピ』になります。

 

ガッツリ系のメニューなんですが…何気に…秋には、お勧めだったりします。

秋は、乾燥の季節です。

チャーシューの食材となる豚肉は、乾燥の対策となる「滋陰」という効能を持ち合わせます。また、チャーシューは、甘味の強い味付けが、特徴の料理です。その甘味の原料となる砂糖も「潤燥」という乾燥の対策となる効能を持ち合わせます。添えた、ほうれん草、卵も同様に乾燥の対策となる効能を持ち合わせています。

秋は、食欲の秋…食欲増進の季節でもあります。うるち米は、「健脾」「和胃」という消化促進の手助けとなる効能を持ち合わせます。

 

などなど…食べ過ぎは、良くありませんが…乾燥しがちな秋に、お勧めのガッツリ系メニューです。

 

~作り方~

  • 豚肩ロース      650g
  • 塩          5g
  • 砂糖         40g
  • 醤油         15g
  • 甜麺醤        5g
  • 紹興酒        5g
  • ベーキングパウダー  1つまみ 

 

  1. 厚さ3㎝程の豚肩ロースのブロック肉を、準備します。
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  2. 大きめのボールに、調味料全てを入れ、混ぜ合わせます。(甜麺醤は、ユウキ食品の商品を使用しています。紹興酒は、無塩の商品です。)豚肩ロースも入れ、2時間程漬け込みます。途中何度か、調味料をもみこみながら、裏返します。
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  3. 今回、オーブントースターで焼きました。専用のトレイに網をのせ、そこに調味料に漬けた、豚肩ロースをのせます。
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  4. 温度180度で20分。裏返して20分。その後、温度200度で10分。裏返して10分加熱します。(オーブンレンジ等々で、加熱時間は、変わります。)
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  5. 丼に、白米をよそい、スライスしたチャーシュー、茹でたほうれん草、茹で卵を盛り付けます。
  6. お湯小さじ2.5、醤油小さじ1、老抽(中国醤油)少々、砂糖小さじ1/4、胡麻油少々でタレを作り、適量かけます。

胡瓜と鶏ささみのピリ辛黒酢和え

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中国家庭料理「拌青瓜」の『お家版アレンジレシピ』です。

鶏ささみは、しっとり柔らかく火入れし…胡瓜は、叩いて味を染み込みやすく…味付けは、甜醤油と鎮江香醋でより中華スタイルに…などなど…何気に、こだわりのレシピです!!

胡瓜は、暑さを和らげ、湿の邪を排出し、体内水分を補う効能を持ち合わせます。まだまだ、蒸し暑い日は、続いています…そんな毎日にも、お勧めの一皿です。

 

~作り方~

〈甜醤油の作り方〉

  • 醤油     160g
  • 日本酒    140g
  • 砂糖     85g
  • 八角     1粒
  • 花椒粒    適量
  • 陳皮     少々
  • 葱頭     2キレ
  • 生姜薄切り  2キレ

 

  1. 小鍋に材料を合わせ、火を入れ、砂糖を焦がさないように混ぜながら、沸かします。f:id:hide8460:20210831234846j:image
  2. 弱火で、軽く沸いている状態で25分~30分煮詰めます。
  3. 濾し網などで、香辛料を取り除き、タッパーに移します。(出来上がり210g~220g程です)
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  4. 荒熱を取り、冷蔵庫で半日程さまします。(冷めると、少しトロミがつく状態になります)

※甜醤油は、お酢で割り、ラー油や胡麻油を足すと、鶏肉の冷菜や皮蛋豆腐のタレとしても活用できます!!

 

 

  • 鶏ささみ   1本
  • 胡瓜     1本
  • 長葱     15g
  • ニンニク   少々
  • 生姜     少々
  • 甜醤油    小さじ2
  • 鎮江香醋         小さじ2
  • 豆板醤          小さじ1/4
  • 煎り胡麻         少々 
  • ラー油    適量

 

  1. 鶏ささみに、適量の日本酒をふり、15分程置きます。鍋に、たっぷりのお湯を沸かします。火を止めて、鶏ささみを入れ、蓋をして5分、余熱で火を通します。氷水等で冷まします。
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  2. 鶏ささみは、繊維に沿って裂きます。胡瓜は、両端を落とし、麺棒等で叩いてから、食べやすい大きさにカットします。長葱は、細切り。生姜、ニンニクは、みじん切りにします。
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  3. 大きめのボールに、食材と調味料を入れ、混ぜ合わせます。
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ハスの実、冬瓜、豚スペアリブのスープ

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冬瓜のスープは、定番の中国家庭料理です。そこに、数種の生薬を組み合わせた『お家版レシピ』になります。

 

このスープに使用する、ハスの実、龍眼、棗、乾燥ユリ根は、「安神」の効能を、より発揮する生薬の組み合わせです。

「安神」とは、動悸、睡眠障害など心神の不安を解消すること…つまり、寝苦しい夏の睡眠対策ともなります。

そして冬瓜は、夏の暑さ、湿気の対策…夏に不足しがちな体内水分の対策となる効能をも、持ち合わせます。

などなど…まだまだ蒸し暑い夏に、お勧めのスープです!!

 

~作り方~

  • 豚スペアリブ    4キレ(300g)
  • 冬瓜        16キレ
  • 干し椎茸      4枚
  • 生姜薄切り     4枚
  • ハスの実      10g
  • 乾燥ユリ根     5g
  • 龍眼        5g
  • 棗         1ケ
  • 陳皮        少々

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  1. 冬瓜は、皮を剥き、種を取り除くようにカットし、厚さ2㎝幅5㎝程に切り揃えます。剥いた皮は、お茶パックなどに入れます。
  2. 鍋に1.2キロのお湯を沸かし、豚スペアリブ、パック入り冬瓜皮、干し椎茸、生姜薄切り、ハスの実、乾燥ユリ根、龍眼、棗、陳皮を加え、1時間蓋をして、弱火で煮込みます。
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  3. 干し椎茸を取り出し、じくを取り除き、半分にカットして鍋に、戻します。同時に冬瓜を加え、20分〜30分蓋をして、弱火で煮込みます。
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  4. パック入り冬瓜皮を取り除きます。塩(小さじ1/2程)で味付けします。味が物足りない時は、旨味調味料、砂糖を少々加えます。

茄子と挽き肉の黒酢入り辛味煮込み 

f:id:hide8460:20210814215017j:image四川料理北京料理の定番「魚香茄子」の『お家版レシピ』です。テレビのCMでもお馴染みの「麻婆茄子」は、この料理をベースに日本で生まれた中華料理と言われています。

甘辛酸っぱく…白米との相性も抜群です!!

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茄子は、夏の暑さや湿気の対策となる効能を、持ち合わせます。また、夏に陥りやすい食欲不振の対策となる効能をも、持ち合わせます。そして、辛味は、食欲増進の効果が、期待出来ると言われます。

などなど…食欲増進で夏バテ対策となる、夏のお勧め料理の一つです。

 

~作り方~

  • 茄子        2本
  • 豚挽き肉      100g
  • 長葱        15g
  • ニンニク      1/2粒
  • 生姜        ニンニクと同量

 

  • 甜麺醤         小さじ2
  • 豆板醤         小さじ1/2
  • 紹興酒         小さじ1
  • 水         150g
  • 醤油        小さじ2      
  • オイスターソース       小さじ1/2~1
  • 砂糖              小さじ1/4~1/2
  • 水溶き片栗粉(片栗粉・小さじ2、水・小さじ4)
  • 鎮江酢       小さじ2

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  1. 茄子は、縦に4等分。長葱、ニンニク、生姜は、細かくカットします。
  2. フライパンを温め、油を多めに入れ、茄子をしっかりと焼きあげ、バット等に移します。
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  3. 豚挽き肉を炒めます。8割ほど火が通し、ニンニク、生姜、豆板醤、甜麺醤を加え、弱火で炒め香りを、引き立たせます。
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  4. 紹興酒、水を加え、沸いたタイミングで、醤油、オイスターソース、砂糖で味付けします。
  5. 茄子、長葱を加え、1分程煮込みます。
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  6. 火を止め、水溶き片栗粉を加え、ヘラ等で混ぜ合わせます。
  7. 再度、火を着けて、ヘラ等で混ぜ合わせながら沸かし、しっかりとトロミをつけます。弱火にして鎮江酢、お好みでラー油を回し掛け、一混ぜします。
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豆乳プリンと小豆汁粉

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香港スイーツ「豆腐花」(豆乳プリン)と「紅豆沙」(小豆汁粉)の『お家版レシピ』です。

香港のデザート専門店で、この「豆腐花+紅豆沙」二つの組み合わせは、ポピュラーな商品の一つです。

 

豆乳は、暑い夏に不足しがちな、体内水分を補う効能を、持ち合わせます。小豆は、夏の暑さや、湿気の対策となる効能を持ち合わせます。また、小豆汁粉で使用するハスの実、乾燥ユリ根は、不安な気持ちを落ち着かせ、寝苦しい夏に快眠を促す効果が、期待出来ると言われています。

…などなど、夏にお勧めのスイーツです。

 

~作り方~

〈豆乳プリン〉

  • 寒天(そのままで、お湯に溶けるタイプ)  4g
  • ゼラチン(そのままで、お湯に溶けるタイプ)10g
  • 水        210g
  • 豆乳(無調整)  400g
  • 牛乳       200g
  • 砂糖       50g

 

  1. 鍋に水と寒天を入れ、ヘラなどで混ぜながら、中火で沸かし、寒天をとかします。
  2. 弱火にして、砂糖を加え、沸騰しない程度の温度で、混ぜながら砂糖を溶かします。
  3. 弱火のままゼラチンを加え、沸騰しない程度の温度で、混ぜながらゼラチンを溶かし、火を止めます。
  4. 3.の液体を、漉して、大きめのボールに移します。
  5. 牛乳、豆乳を加え、手早く混ぜ合わせ、タッパーなどに移します。(牛乳、豆乳が冷たい程、早く固まり始めます。)
  6. 半日程、冷蔵庫で冷やせば、完成です。
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〈小豆汁粉〉 

  • ハスの実   10g
  • 乾燥ユリ根  5g
  • 陳皮     少々
  • 小豆     150g
  • 餅米     25g
  • 水      1.2㎏
  • 砂糖     175g

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  1. ハスの実、乾燥ユリ根、陳皮、小豆、餅米を半日程、水につけます。
  2. 鍋で水を沸かします。1.の材料をザルにあけます。陳皮は、細かくカットします。材料すべて鍋に入れます。
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  3. 軽く沸騰している状態で45分~1時間煮込みます。鍋底に焦げつなかいように、10分~15分おきに、ヘラなどで混ぜます。(材料が柔らかくなり、軽くとろみがつけば、OKです。)
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  4. 砂糖を加え、溶ければ完成です。あら熱をとり、冷蔵庫で半日程冷やします。

 

 

 

冷やし担々麺

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「冷麺」や「涼麺」と表記される「冷やし中華」は、本場中国に存在しない、日本発祥の中華料理です。ちなみに…エビチリ、エビマヨ、焼き餃子、中華丼…なども、日本発祥の中華料理と言われています。

 

蒸し暑い夏は、食欲不振に陥りやすい季節です。

担々麺は、辛味が特徴的な料理でもあります。その辛味となる唐辛子は、食欲増進の効果が、期待出来ます。

そして、添えたトマト、胡瓜は、夏の暑さ対策だけでなく、発汗作用などにより不足した、体内水分を補う効能を持ち合わせていています。

などなど…蒸し暑い夏に、お勧めの一皿です‼

 

 

~作り方~4皿分

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使用した中華調味料

〈担々冷麺用 胡麻ダレ〉

  • 芝麻醤   110g
  • 醤油    70g   
  • 酢     50g
  • 鎮江香酢  20g
  • 砂糖    35g
  • 水     120g
  • レモン汁  少々(目安3g)

 

  1. ボールに、芝麻醤以外の材料を合わせ、良く混ぜ合わせます。
  2. 大きめのボールに、芝麻醤を入れます。1.を少しずつ加え、混ぜ合わせます。
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  3. 冷蔵庫で半日程寝かせれば、完成です。

 

〈担々冷麺用 肉味噌〉

  • 豚挽き肉   250g
  • 甜麺醤    50g
  • 豆板醤    少々(目安2g)
  • 紹興酒(無塩)    小さじ1

 

  1. フライパンを温め、油を敷き、挽き肉を炒めます。
  2. 8割程、火が入ったタイミングて、紹興酒甜麺醤、豆板醤を加え、水分がなくなるまで、いためます。
  3. 油分を入れないように、バットに移し、常温に冷まします。
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  • 生麺(110g)       4玉
  • 担々冷麺用 胡麻ダレ  80g×4
  • 担々冷麺用 肉味噌      50g ×4         
  • トマト                     1ケ
  • 胡瓜          1本
  • 葱           適量
  • 糸唐辛子        少々

 

  1. トマトは、くし切り。胡瓜は、スティック状に。葱は細切りにカットします。
  2. 生麺を、長めに茹で、流水で洗い、氷水につけます。
  3. 2.の麺を絞り、器に盛り、胡麻ダレをかけ、肉味噌を盛り付けます。
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  4. 残りの野菜を盛り付け、お好みで、ラー油を回しかけます。

鶏肉と夏野菜のココナッツカレー

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「葡汁鶏」と言われるマカオの料理です。「葡」は、ポルトガル・「汁」は、ソースを意味します。マカオポルトガルは関係が深く、ポルトガルのカレーが、マカオで発展した料理と、言われています。なので、日本語表記になると「マカオ風ココナッツカレー」や「ポルトガル風ココナッツカレー」などと、書かれていたりします。

 

その「葡汁鶏」に、夏野菜の苦瓜、茄子、パプリカを組み合わせた一皿です。

苦瓜、茄子は、夏の暑さの対策となる効能を持ち合わせています。さらに、茄子は、夏の湿気の対策となる効能や、夏に陥りやすい食欲不振の原因となる、脾・胃の働きを調整する効能をも、持ち合わせていています。またパプリカも、胃の働きを調整する効能を持ち合わせ、食欲不振の対策ともなります。

その他、使用する食材の、ココナッツミルクには、暑さ、湿気、食欲不振の対策…カレー粉、唐辛子には、食欲増進の効果…等々、今の季節に必要な効能を多く、持ち合わせていています。

 

~作り方~ (4皿分)

  • 鶏モモ肉            1枚
  • 玉ねぎ              大1/2
  • 茄子                     2本
  • 苦瓜               1/2本
  • パプリカ              1/2ケ
  • 牛乳                200cc
  • ココナッツクリーム   200cc
  • 唐辛子             2本
  • カレー粉      大さじ2

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  1. 鶏モモ肉は、4等分。玉ねぎ、パプリカは、乱切り。茄子は、縦に4等分。苦瓜は、種を取り除き、幅1㎝程に切り分けます。
  2. 鶏モモ肉に、小麦粉を適量(目安大さじ1)まぶし、フライパンに油を敷き、こんがりと焼き上げます。このフライパンで、玉ねぎも、炒めておきます。
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  3. 鍋に、オリーブオイル(大さじ1)、カレー粉、唐辛子を入れ、弱火で炒め、香りを引き出します。
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  4. 鍋に、水400cc、ココナッツクリーム、牛乳を加え、沸かします。焼いた鶏モモ肉を加え、蓋をして、30分弱火で煮込みます。
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  5. 蓋を外し、炒めた玉ねぎを加え、20分弱火で煮込みます。

  6. フライパンに油を敷き、茄子、苦瓜、パプリカを、焦げ目がつく程度、焼き上げます。
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  7. 鍋に、焼き上げた野菜を加え、5分弱火で、煮込みます。塩(小さじ1/2程)、砂糖(小さじ3/4程)で味付けします。味が物足りない時は、旨味調味料を少々足します。皿に盛り付け、お好みで、ラー油をたらします。
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