お家で薬膳

国際薬膳調理師がお家で作る、薬膳料理や中国家庭料理を紹介する、「レシピブログ」です。

杏仁、白キクラゲ、梨のシロップ煮

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杏仁(南杏、北杏)、白キクラゲ、梨を、甘いシロップでじっくりと煮込む一皿は、「南北杏雪耳燉梨」などと表記され、定番の薬膳スイーツでもあります。温かいスイーツとして食べることが一般的ですが、冷まして食べても美味です! 

南杏は「潤肺」、白キクラゲは「滋陰」「潤肺」「生津」、梨は「滋陰」「生津」「生肌」といわれる、乾燥対策となる効能を持ち合わせます。

肺は、呼吸の他、体内水分の運航を調整する働きなどがあり、美肌効果に影響を与える臓器であると言われています。肺を潤すことで、その機能を正常に整える「潤肺」という効能を持つ、白キクラゲ、杏仁は、美肌食材としても定番です。

 

~作り方~

  • 梨      1ヶ
  • 南杏     8g
  • 北杏     4g
  • 白キクラゲ  15g
  • 棗      1ヶ
  • クコの実   5g


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  1. 南杏、北杏、白キクラゲを半日ほど、水に浸けます。白キクラゲは、硬い部分を取り除き、食べやすい大きさに、ちぎります。
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  2. 梨の皮を剥き、食べやすい大きさにカットし、種の部分を取り除きます。
  3. 鍋に適量のお湯をわかし、白キクラゲを茹でザルにあげます。
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  4. 鍋に900ccのお湯を沸かし、砂糖120gを溶かします。水気をきった南杏、北杏、梨、白キクラゲ、棗を加え、蓋をして弱火で45分煮込みます。
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  5. 火を止めて、クコの実を加えます。
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豚スペアリブと里芋の紅米煮込み

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豚スペアリブと中国の紅米「紅糟米」を、醤油ベースの煮汁で、じっくり煮込む江蘇省の料理「無錫排骨」に、旬の里芋、チンゲン菜を組み合わせた『お家版レシピ』になります。

チンゲン菜は…意外にも…秋が旬の野菜です。(春にも旬があり、一年に二回の旬があります。)さらに…晩秋がもっとも甘味があり美味しいと、言われています。

 

里芋、チンゲン菜は、「健脾」「健胃」という消化促進の効果が期待出来る効能を、それぞれ持ち合わせます。そして、豚スペアリブは、「滋陰」という乾燥対策ともなる効能を、持ち合わせます。 

などなど…食欲の秋、空気が乾燥しがちな秋に、お勧めです。

 

~作り方~

  • 豚スペアリブ   500g
  • 里芋       300g
  • チンゲン菜    1本
  • 紅米(紅糟米)  10g
  • 紹興酒      50g
  • 水        950g
  • 醤油       50g
  • 砂糖       50g

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  1. 里芋は、皮を剥き食べやすい大きさに…チンゲン菜は、4等分にカットします。
  2. 鍋にお湯(分量外)を沸かし、豚スペアリブを茹でます。流水で洗い流します。
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  3. 鍋に水、紹興酒を合わせ、そこに生姜薄切り2枚、葱頭2キレ、八角1ヶを加え、沸かします
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  4. 2.のスペアリブ、紅米、醤油、砂糖を加え、蓋をして弱火~中火で1時間煮込みます。(煮汁を煮詰めたいので、蓋と鍋は、少しずらします。)
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  5. 里芋を加え、蓋をして弱火~中火で30分煮込みます。(蓋と鍋は、少しずらします。)
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  6. 生姜薄切り、葱頭、八角を取り除きます。お皿に、豚スペアリブ、里芋、茹でたチンゲン菜を盛り付けます。(チンゲン菜を茹でるときは、お湯に塩、油少々を加えると、色良く仕上がります。)
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  7. 煮汁に醤油を少々加え、味を整えます。そこに、水溶き片栗粉(片栗粉1:水2)を少々加え、加熱してトロミをつけます。お皿に盛り付けた豚スペアリブ、里芋に掛けます。
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クレソン、杏仁、無花果、スペアリブのスープ

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クレソンのスープは、中国で一般的な家庭料理の一つです。杏仁、無花果の他に、羅漢果や乾燥した鴨の砂肝などを、組み合わせたりもします。

杏仁は、南杏、北杏の二つの種類に別れます。南杏は甘味が強くデザート向き、北杏は少し苦みを持ちスープ向き、と言われています。クレソンのスープでは、二種使われることが、ほとんどです。

クレソン、南杏、無花果は、「潤肺」という効能を持ち合わせ、秋に負担を受けやすい肺を潤すことにより、その機能を正常に保つ手助けをしてくれます。また、人参、スペアリブは、「潤燥」という身体全体の乾燥対策となる効能を持ち合わせます。

陳皮、杏仁の組み合わせは、咳を静める効果が期待できるとも言われています。

などなど…乾燥の秋にお勧めのスープになります‼

 

~作り方~(4皿分) 

  • クレソン   2束
  • 人参     1/4本
  • 生姜薄切り  4枚
  • 豚スペアリブ 4~5キレ(250g)
  • 南杏     5g
  • 北杏     5g
  • 陳皮     少々
  • 棗      1ヶ
  • 乾燥無花果  小粒4ヶ

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  1. クレソンは、2等分に…人参は、4等分にカットします。
  2. 鍋に1.2㎏のお湯を沸かし、生姜薄切り、豚スペアリブ、南杏、北杏、陳皮、棗、乾燥無花果を加え、蓋をして45分、弱火で煮込みます。
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  3. 人参を加え、蓋をして20分、弱火で煮込みます。
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  4. クレソンを加え、蓋をして20分、弱火で煮込みます。
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  5. 塩小さじ1/4程で、味付けします。味が物足りない時は、旨味調味料、砂糖を少々加えます。
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チャーシュー丼

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専用の大きな釜で焼き上げたチャーシューを、白米に乗せた丼は、香港のポピュラーなB級グルメの一つです。

そんな香港式チャーシュー丼の『お家版レシピ』になります。

 

ガッツリ系のメニューなんですが…何気に…秋には、お勧めだったりします。

秋は、乾燥の季節です。

チャーシューの食材となる豚肉は、乾燥の対策となる「滋陰」という効能を持ち合わせます。また、チャーシューは、甘味の強い味付けが、特徴の料理です。その甘味の原料となる砂糖も「潤燥」という乾燥の対策となる効能を持ち合わせます。添えた、ほうれん草、卵も同様に乾燥の対策となる効能を持ち合わせています。

秋は、食欲の秋…食欲増進の季節でもあります。うるち米は、「健脾」「和胃」という消化促進の手助けとなる効能を持ち合わせます。

 

などなど…食べ過ぎは、良くありませんが…乾燥しがちな秋に、お勧めのガッツリ系メニューです。

 

~作り方~

  • 豚肩ロース      650g
  • 塩          5g
  • 砂糖         40g
  • 醤油         15g
  • 甜麺醤        5g
  • 紹興酒        5g
  • ベーキングパウダー  1つまみ 

 

  1. 厚さ3㎝程の豚肩ロースのブロック肉を、準備します。
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  2. 大きめのボールに、調味料全てを入れ、混ぜ合わせます。(甜麺醤は、ユウキ食品の商品を使用しています。紹興酒は、無塩の商品です。)豚肩ロースも入れ、2時間程漬け込みます。途中何度か、調味料をもみこみながら、裏返します。
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  3. 今回、オーブントースターで焼きました。専用のトレイに網をのせ、そこに調味料に漬けた、豚肩ロースをのせます。
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  4. 温度180度で20分。裏返して20分。その後、温度200度で10分。裏返して10分加熱します。(オーブンレンジ等々で、加熱時間は、変わります。)
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  5. 丼に、白米をよそい、スライスしたチャーシュー、茹でたほうれん草、茹で卵を盛り付けます。
  6. お湯小さじ2.5、醤油小さじ1、老抽(中国醤油)少々、砂糖小さじ1/4、胡麻油少々でタレを作り、適量かけます。

胡瓜と鶏ささみのピリ辛黒酢和え

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中国家庭料理「拌青瓜」の『お家版アレンジレシピ』です。

鶏ささみは、しっとり柔らかく火入れし…胡瓜は、叩いて味を染み込みやすく…味付けは、甜醤油と鎮江香醋でより中華スタイルに…などなど…何気に、こだわりのレシピです!!

胡瓜は、暑さを和らげ、湿の邪を排出し、体内水分を補う効能を持ち合わせます。まだまだ、蒸し暑い日は、続いています…そんな毎日にも、お勧めの一皿です。

 

~作り方~

〈甜醤油の作り方〉

  • 醤油     160g
  • 日本酒    140g
  • 砂糖     85g
  • 八角     1粒
  • 花椒粒    適量
  • 陳皮     少々
  • 葱頭     2キレ
  • 生姜薄切り  2キレ

 

  1. 小鍋に材料を合わせ、火を入れ、砂糖を焦がさないように混ぜながら、沸かします。f:id:hide8460:20210831234846j:image
  2. 弱火で、軽く沸いている状態で25分~30分煮詰めます。
  3. 濾し網などで、香辛料を取り除き、タッパーに移します。(出来上がり210g~220g程です)
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  4. 荒熱を取り、冷蔵庫で半日程さまします。(冷めると、少しトロミがつく状態になります)

※甜醤油は、お酢で割り、ラー油や胡麻油を足すと、鶏肉の冷菜や皮蛋豆腐のタレとしても活用できます!!

 

 

  • 鶏ささみ   1本
  • 胡瓜     1本
  • 長葱     15g
  • ニンニク   少々
  • 生姜     少々
  • 甜醤油    小さじ2
  • 鎮江香醋         小さじ2
  • 豆板醤          小さじ1/4
  • 煎り胡麻         少々 
  • ラー油    適量

 

  1. 鶏ささみに、適量の日本酒をふり、15分程置きます。鍋に、たっぷりのお湯を沸かします。火を止めて、鶏ささみを入れ、蓋をして5分、余熱で火を通します。氷水等で冷まします。
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  2. 鶏ささみは、繊維に沿って裂きます。胡瓜は、両端を落とし、麺棒等で叩いてから、食べやすい大きさにカットします。長葱は、細切り。生姜、ニンニクは、みじん切りにします。
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  3. 大きめのボールに、食材と調味料を入れ、混ぜ合わせます。
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ハスの実、冬瓜、豚スペアリブのスープ

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冬瓜のスープは、定番の中国家庭料理です。そこに、数種の生薬を組み合わせた『お家版レシピ』になります。

 

このスープに使用する、ハスの実、龍眼、棗、乾燥ユリ根は、「安神」の効能を、より発揮する生薬の組み合わせです。

「安神」とは、動悸、睡眠障害など心神の不安を解消すること…つまり、寝苦しい夏の睡眠対策ともなります。

そして冬瓜は、夏の暑さ、湿気の対策…夏に不足しがちな体内水分の対策となる効能をも、持ち合わせます。

などなど…まだまだ蒸し暑い夏に、お勧めのスープです!!

 

~作り方~

  • 豚スペアリブ    4キレ(300g)
  • 冬瓜        16キレ
  • 干し椎茸      4枚
  • 生姜薄切り     4枚
  • ハスの実      10g
  • 乾燥ユリ根     5g
  • 龍眼        5g
  • 棗         1ケ
  • 陳皮        少々

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  1. 冬瓜は、皮を剥き、種を取り除くようにカットし、厚さ2㎝幅5㎝程に切り揃えます。剥いた皮は、お茶パックなどに入れます。
  2. 鍋に1.2キロのお湯を沸かし、豚スペアリブ、パック入り冬瓜皮、干し椎茸、生姜薄切り、ハスの実、乾燥ユリ根、龍眼、棗、陳皮を加え、1時間蓋をして、弱火で煮込みます。
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  3. 干し椎茸を取り出し、じくを取り除き、半分にカットして鍋に、戻します。同時に冬瓜を加え、20分〜30分蓋をして、弱火で煮込みます。
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  4. パック入り冬瓜皮を取り除きます。塩(小さじ1/2程)で味付けします。味が物足りない時は、旨味調味料、砂糖を少々加えます。

茄子と挽き肉の黒酢入り辛味煮込み 

f:id:hide8460:20210814215017j:image四川料理北京料理の定番「魚香茄子」の『お家版レシピ』です。テレビのCMでもお馴染みの「麻婆茄子」は、この料理をベースに日本で生まれた中華料理と言われています。

甘辛酸っぱく…白米との相性も抜群です!!

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茄子は、夏の暑さや湿気の対策となる効能を、持ち合わせます。また、夏に陥りやすい食欲不振の対策となる効能をも、持ち合わせます。そして、辛味は、食欲増進の効果が、期待出来ると言われます。

などなど…食欲増進で夏バテ対策となる、夏のお勧め料理の一つです。

 

~作り方~

  • 茄子        2本
  • 豚挽き肉      100g
  • 長葱        15g
  • ニンニク      1/2粒
  • 生姜        ニンニクと同量

 

  • 甜麺醤         小さじ2
  • 豆板醤         小さじ1/2
  • 紹興酒         小さじ1
  • 水         150g
  • 醤油        小さじ2      
  • オイスターソース       小さじ1/2~1
  • 砂糖              小さじ1/4~1/2
  • 水溶き片栗粉(片栗粉・小さじ2、水・小さじ4)
  • 鎮江酢       小さじ2

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  1. 茄子は、縦に4等分。長葱、ニンニク、生姜は、細かくカットします。
  2. フライパンを温め、油を多めに入れ、茄子をしっかりと焼きあげ、バット等に移します。
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  3. 豚挽き肉を炒めます。8割ほど火が通し、ニンニク、生姜、豆板醤、甜麺醤を加え、弱火で炒め香りを、引き立たせます。
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  4. 紹興酒、水を加え、沸いたタイミングで、醤油、オイスターソース、砂糖で味付けします。
  5. 茄子、長葱を加え、1分程煮込みます。
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  6. 火を止め、水溶き片栗粉を加え、ヘラ等で混ぜ合わせます。
  7. 再度、火を着けて、ヘラ等で混ぜ合わせながら沸かし、しっかりとトロミをつけます。弱火にして鎮江酢、お好みでラー油を回し掛け、一混ぜします。
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