お家で薬膳

国際薬膳調理師がお家で作る、薬膳料理や中国家庭料理を紹介する、「レシピブログ」です。

四神湯

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台湾の薬膳スープ「四神湯」の『お家版レシピ』です。

四神は、「茯苓」「蓮子」「山薬」「芡実」。この4種の生薬を意味しています。
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薬膳効能

「清熱」「利水滲湿」「健脾和胃」「養心安神」…

体内の異常な熱を冷ます効果…

浮腫み、食欲不振などの原因となる湿邪を、尿として排出する効果…

脾・胃の機能を改善し、消化促進などの効果…

動悸・睡眠障害など心神の不安を解消する効果…

などが期待出来ます。

梅雨・夏の天気は、ジメジメと蒸し暑く…臓器では、脾が負担を受けやすく…

特に夏は、気持ちが不安定になりやすい…と言われています。

それらの対策となる効能を備える、梅雨から夏にかけてお勧めのスープです!!

 

材料
  • 茯苓          15g
  • 蓮子          15g
  • 山薬          15g
  • 芡実          15g
  • ハト麦         15g
  • 豚肩ロース       200g
  • 白モツ(ボイル済み) 100g
  • 白葱          60g
  • 生姜薄切り       8枚


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作り方
  1. 山薬、蓮子、茯苓、芡実、ハト麦を一晩水に漬けザルにあける。
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  2. 小鍋にお湯を沸かし、豚白モツをボイル。水で流しながら、揉み洗い。この作業を三回繰り返しザルにあける。
  3. 豚肩ロース、白葱を食べやすい大きさにカット。
  4. 鍋に1.2kgのお湯を沸かし、日本酒大さじ2、全ての材料を加え、蓋をして弱火で90分煮込む。
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  5. 塩小さじ1/4、胡椒、旨味調味料、砂糖少々を加え味付け。豚モツの臭いが気になる時は、日本酒適量を加え、ひと煮立ちさせる。

清補涼湯

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「清補凉」は、香港や台湾の食材店で、家庭で作る薬膳スープ用に販売されている、数種の生薬をパックにしたものです。この生薬のパックは、沢山の種類があります。その中でも「清補凉」は、最もポピュラーなもので、日本の中華食材専門店でも、販売されています。

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薬膳効能

「健脾除湿」「養陰生津」「養心安神」「滋陰潤肺」…

浮腫みや食欲不振などの原因となる湿邪を、尿や汗として排出する効果…

内水分を作り出し、乾燥状態の改善…内熱を冷ます効果…

動悸・睡眠障害などの心神の不安を解消する効果…

内水分の増強を促し、肺に潤いを与え、その機能を改善する効果…

などが期待出来ます。

夏の天気は、ジメジメと蒸し暑く…臓器では、脾が負担を受けやすく…気持ちが不安定になりやすい…と言われています。

秋の天気は、寒暖差が大きく、空気が乾燥し…臓器では、肺が負担を受けやすい…と言われています。

それらの対策となる効能を備える、夏から秋にかけてお勧めの万能スープです!!

 

材料
  • 清補涼      80g
  • 豚スペアリブ   300g(4キレ)
  • トウモロコシ   1本(200g)
  • 生姜薄切り    4枚

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作り方
  1. 清補涼を一晩水に浸け、ザルにあける。トウモロコシを食べやすい大きさにカットする。
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  2. 鍋に1.2㎏のお湯を沸かし、豚スペアリブ、生姜薄切り、1.の清補涼を加え、蓋をして弱火で45分煮込む。
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  3. トウモロコシを加え、蓋をして弱火で45分煮込む。
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  4. 塩小さじ1/4で味付け。味が物足りないときは、旨味調味料、砂糖を少々加える。

 

海苔、白菜の卵とじスープ

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中国福建省の海苔「紫菜」を使った玉子スープ「紫菜蛋花湯」の『お家版レシピ』です。

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「紫菜」は、日本の海苔とは違い、そのまま食べるのではなく、スープなど加熱する料理に使います。

 

 

薬膳効能

「利水」「清熱」「健脾」…

浮腫みや食欲不振などの原因となる湿邪を、尿として排出する効果…

体内の異常な熱を冷ます効果…

脾の働きを改善し、消化促進などの効果…

などが期待出来ます。

梅雨・夏の天気は、ジメジメと蒸し暑く…臓器では、脾が負担を受けやすい…と言われています。

それらの対策となる効能を備える、梅雨から夏にかけてお勧めのスープです!!

 

材料
  • 紫菜        15g
  • 豚肩ロース     250g
  • 白菜        100g
  • 人参        30g
  • 干し椎茸スライス  5g
  • 卵         2ヶ
  • 生姜薄切り     4枚

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作り方
  1. 紫菜は4㎝角、肩ロースは3㎝角にカット。白菜、人参は、1.5㎝幅の薄切りに。
  2. 鍋に1.2㎏のお湯を沸かし、肩ロース、生姜薄切り、干し椎茸スライスを加え、蓋をして弱火で45分。
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  3. 白菜、人参を加え、蓋をして弱火で20分。
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  4. 紫菜を加え、蓋をして弱火で5分。
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  5. 塩小さじ1/4、胡椒少々で味付け。味が物足りない時は、旨味調味料、砂糖少々を加え、卵でとじる。
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レバニラ炒め

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町中華の定番「レバニラ」の『お家版レシピ』です。

 

 

薬膳効能

ポイントは、豚レバー効果!!韮効果!!

豚レバーは、春に負担を受けやすい「肝臓」「血」「目」の対策となる「平肝」「補血」「明目」の効能を持ち合わせ、それぞれが円滑に働く手助けとなります。

韮は、滋養強壮や疲労回復の要因となる「補腎」の効能の他、「気」「血」の巡りを改善する「降気」「活血」の効能をも備えます。

春は、ストレスのかかりやすい季節でもあり、気、血の巡りは、ストレス対策にも繋がると言われています。

などなど…「レバニラ」は春にお薦めの料理なんです!!

 

材料
  • 豚レバー     100g
  • 韮        100g(1束)
  • もやし      60g
  • 玉ねぎ      60g
  • 生姜薄切り    4g
  • ニンニク薄切り  4g

 

  • 豆板醤      小さじ1/6
  • 紹興酒            小さじ1/2
  • 水            40cc
  • オイスターソース 小さじ2
  • 醤油             小さじ1/2      
  • 老抽(中国醤油) 少々
  • 砂糖       小さじ1/3
  • 水溶き片栗粉      片栗粉(小さじ1/2)、水(小さじ1)
  • 胡麻油      小さじ1/2


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作り方
  1. 玉ねぎは、スライス。韮は、食べやすい長さにカット。
  2. 豚レバーを4㎜幅のスライス。塩ひとつまみを揉みこみ、流水で15分。血抜きする。ペーパー等を使い水気を切り、塩ひとつまみ、胡麻油小さじ1/4、胡椒少々、片栗粉小さじ1/2で下味をつける。
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  3. フライパンを温めて、油を敷き2.の豚レバーを焼く。
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  4. 3.の豚レバーを取り出し、もやし、玉ねぎ、ニンニク、生姜に豆板醤を加え、炒める。
  5. 紹興酒、水、オイスターソース、醤油、老抽、砂糖で味付け。
  6. 取り出した豚レバーと韮を加え、韮がしんなりする程度炒める。
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  7. 火を止めて、水溶き片栗粉、胡麻油を加える。汁気にとろみがつくまで炒める。
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鶏レバーの醤油煮

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「鹵水」と呼ばれる、香辛料の効いた醤油ベースの煮汁で、鶏レバーを煮込んだ広東料理「豉油鶏肝」のレシピです。

 

 

薬膳効能

鶏レバーは、血の栄養不足等を改善する働き「補血」の効能を持ちます。

春は、肝臓が負担を受けやすい季節です。

肝臓には、血を貯蔵する等の働きがあり、肝臓の負担は、血にも影響を及ぼします。その対策として、「補血」の効能を持つ食材を身体に取り入れることは、春の食養生の一つとなります。

 

鶏レバーは、その他…肝の機能活動を助ける働き「養肝」、春に起きやすいと言われる目の霞みの対策となる「明目」…等、春に身体に取り入れたい効能を持ち合わせています。

 

 

材料 
  • 鶏レバー    400g
  • 生姜薄切り   20g

 

(鹵水)

  • 水        360g
  • 醤油       140g
  • 老抽(中国醤油) 20g
  • 砂糖       90g
  • 紹興酒      10g
  • 鹵肉料      5g

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作り方
  1. 鹵水を作る。鹵肉料をお茶パックに入れ、水、醤油、老抽、紹興酒と鍋に入れ中火で沸かす。砂糖を加え、もう一度沸かし、火を止める。
  2. 鶏レバーとハツを切り分け、白い筋や血の塊を取り除く。ボールに水をはり、鶏レバーをつけこみながら、やさしく洗う。
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  3. 鍋にたっぷりのお湯を沸かし、2.の鶏レバーを30秒茹でザルにあげる。(鶏レバーの表面に火を通します)
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  4. 1.の鹵水に生姜薄切りを加え中火で沸かす。3.の鶏レバーを加え、弱火~中火で沸騰しない程度の温度に調整。3分加熱して蓋をする。火を止め余熱で15分程、鶏レバーに火を通す。
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  5. お茶パック入りの鹵肉料を取り除き、鶏レバー、生姜薄切りを取り出しバットに移す。
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  6. 鶏レバー、鹵水が冷めてから、タッパー等に移し冷蔵庫で一晩置き、味を染み込ませる。

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天麻川芎白芷魚頭湯

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天麻(テンマ)、川芎(センキュウ)、白芷(ビャクシ)などの漢方生薬を、じっくりと煮込んだ本格的な薬膳スープの『お家版レシピ』です。

 

 

薬膳効能

『天麻川芎白芷魚頭湯』の薬膳効能は、「袪風止痛」「行気活血」。

「袪風止痛」とは…

人体に侵入し、風の様に動き回ることが特徴の邪気である風邪(ふうじゃ)を取り去り、風邪が原因となる頭痛、疼痛等を止める働き。春の邪気とも言われる風邪を取り去る効能「袪風」の食材を身体に取り入れることは、春の食養生の一つです。

「行気活血」とは…

気、血の流れをより良く改善する働き。気は血の循行の手助けをしています。つまり…気の流れを良くすることは、血の流れにも影響を与えます。気、血の流れをより良くすることは、全身に栄養分を供給し滋潤するなどの他、ストレスの対処法にもなり得ると、言われています。

 

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材料
  • 白身魚       1匹(200g)
  • 豚スペアリブ    4キレ(150g)
  • 生薬薄切り     4枚
  • 天麻        5g
  • 川芎        5g
  • 白芷        5g
  • 紅棗        2ヶ(15g)
  • 山薬        2本(15g)
  • クコの実      5g
  • 龍眼        4ヶ(5g)
  • 陳皮        少々


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作り方
  1. 山薬は、半日ほど水に浸し、1/2にカット。白身魚は、鱗と内臓を取り除き、ぶつ切り。
  2. 天麻、白芷、川芎をお茶パックに入れる。
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  3. 鍋に1.5㎏のお湯を沸かし、白身魚、豚スペアリブを加える。
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  4. 3.を3分ほど沸かし、灰汁を取り除き、残りの材料を全て加える。
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  5. 蓋をして、弱火で90分煮込む。
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  6. 天麻、白芷、川芎を取り除き、塩小さじ1/4ほどで味付け。

 

春野菜とアサリの撈麺

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下茹でした麺を、具材入りスープで手早く煮込んだ料理を「撈麺」と言います。旬の春野菜と香港の乾麺「全蛋麺」を合わせた「撈麺」の『お家版レシピ』です。
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薬膳効能

春は、冬に溜め込んでしまった体内老廃物を排出することも、健康を保つ為に必要な季節です。「清熱」「解毒」の薬膳効能をもつ食材は、その手助けとなります。山菜や新芽の野菜、少し苦味のある春野菜の多くは、その効能を持ち合わせると言われています。レシピの春野菜の中では、アスパラ、筍、タラの芽、チンゲン菜は「清熱」…筍、タラの芽、菜の花は「解毒」の効能を持ち合わせています。

 

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材料
  • アサリ     4~6ヶ(50g)
  • 筍水煮     1/4本(30g)
  • アスパラ    1本(20g)
  • タラの芽    2本(15g)
  • 菜の花     2本(40g)
  • チンゲン菜   1/4本(40g)
  • エリンギ    20g
  • パプリカ    10g
  • 葱       20g  
  • 生姜      2g
  • 全蛋麺     1玉(50g)

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作り方
  1. アサリは、3%の塩水に浸し、砂抜き。
  2. 筍は、根元から3㎝の皮を剥き、薄切り。アスパラは、根元から10㎝の皮を剥き、斜め切り。タラの芽は、根元の汚れを切り落とす。菜の花は、1/2カット。チンゲン菜は、細切り。エリンギは、薄切り。パプリカは、小さな乱切り。生姜は、細かくカット。葱は、細切りにする。
  3. 鍋にお湯を沸かし、全蛋麺を2分茹で、菜箸でほぐす。ザルにあけ、水で流しながら、ほぐれてない部分をほぐす。
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  4. フライパンに、油小さじ2、葱、生姜を加え、中火で炒める。
  5. 紹興酒小さじ1/2、水200cc、アサリを加え、蓋をして中火で沸かす。
  6. アサリの殻が開いたら、残りの野菜を加え、もうひと煮立ち。
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  7. 塩小さじ1/5、旨味調味料少々、砂糖小さじ1/5、オイスターソース小さじ2、中国醤油少々、胡椒、胡麻油小さじ1/2で味付け。
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  8. 中火で汁気を沸かし、3.の麺を加え、菜箸で混ぜながら2分。麺と野菜に火を通す。
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