春に身体に取り入れたい薬膳効能とその食材です!!
春は、活発な新陳代謝や新しい細胞形成に向けて活動を始める季節です。肝臓は、その働きをコントロールする臓器であり、大きな負担を受けます。
肝臓は、脾臓と関わりが深く、肝臓の負担は、脾臓に影響を及びします。また、血の貯蔵を担う臓器でもあり、血にも影響を及びします。
そして体内は、春の強い風の影響を受け、水分を失いがちです。体内水分を十分に補充するなど、陰を補うことも大切です。
それらの対策として、「平肝」「健脾」「補血」「滋陰」などの効能を持つ食材を、身体に取り入れます。
- 平肝→肝機能を正常な状態に改善する働き。(金針菜、クレソン、獅子唐、芹、トマト、セロリ、ピーマン、穴子…など)
- 健脾→脾の機能を正常にし、消化吸収力を促進する働き。(粳米、玄米、ハト麦、もち米、山芋、隠元、大豆、栗、じゃがいも、棗、蓮の実、落花生、あさつき、枝豆、オクラ、カリフラワー、小松菜、生姜、そら豆、とうもろこし、茄子、大蒜の芽、葱、白菜、広東白菜、チンゲン菜、龍眼、ブロッコリー、レタス、蓮根、オレンジ、リンゴ、鰯、鱸、鯛、鰤、牛肉、鶏砂肝…など)
- 補血→血に栄養、滋潤を与え、造血作用を促進する働き。(アーモンド、黒ゴマ、枝豆、木耳、金針菜、しめじ、人参、ほうれん草、レタス、プルーン、桃、龍眼、あさり、穴子、イカ、鰻、牡蠣、鰹、鮭、鯖、蜆,、鱸、蛸、鱈、鰤、鮪、牛肉、鶏レバー、豚肉、豚レバー、卵、…など)
- 滋陰→体液を補充することにより、乾燥の症状改善や、全身に栄養を与える…などの働き。(山芋、エリンギ、オクラ、蕪、木耳、白木耳、ほうれん草、人参、豚肉、卵、梨、鮎、イカ、牡蠣、蟹、白魚、蛤、鰤、卵…など)
デトックスとは、体内の老廃物や毒素を排出することにより、新陳代謝を活発にし、元の健康な身体を取り戻すことです。
寒い冬は、身体のさまざまな活動が鈍く、体内に老廃物や毒素を溜め込んでしまっています。
目覚めの季節「春」は、体内の余分な熱を冷ますなどし、それらを排出しやすい環境を作りだすことが必要です。
その対策として、「春の基本の食養生」と合わせて、「清熱」「解毒」…などの薬膳効能を持つ食材を、身体に取り入れることも大切になります。
- 清熱→体内の炎症等による熱を解熱する働き。(小麦、ハト麦、春雨、小豆、豆腐、緑豆、アスパラ、キャベツ、胡瓜、金針菜、空芯菜、クレソン、パクチー、小松菜、牛蒡、白瓜、ズッキーニ、芹、セロリ、筍、タラの芽、チンゲン菜、冬瓜、茄子、白菜、ほうれん草、豆もやし、茗荷、もやし、レタス、蓮根、柿、キウイ、スイカ、梨、パイナップル、バナナ、メロン、レモン、アサリ、蟹、昆布、蜆、海苔、モズク、ワカメ、ピータン…など)
- 解毒→体内に蓄積した老廃物や病邪を取り除く働き。(里芋、春雨、蜂蜜、小豆、豆腐、納豆、緑豆、オリーブ、エノキ、蕪、胡瓜、金針菜、空心菜、シソ、生姜、白瓜、筍、タラの芽、冬瓜、菜の花、苦瓜、韮、大蒜、大蒜の芽、蕗、蕗の薹、茗荷、もやし、無花果、バナナ、蟹、蜆、ピータン…など)
ストレス対策の食養生
五月病という言葉があるように、春は、ストレスを感じやすい季節でもあります。
ストレスの原因は、精神的なもの、暑さや寒さ、疲労…などさまざまです。
中医学では、全身を覆う「気」が滞ると、イライラ、頭痛、憂鬱を伴い、全身を巡る「血」が滞ると、肩こりや首の痛みから、ストレスを感じると言われています。その対策として、「理気」「行気」「活血」などの効能をもつ、食材を身体に取り入れることが必要です。
また、精神を司るとされる心臓の働きを補う「養心」「安神」などの効能をもつ食材を身体に取り入れることも効果的です。
これらの食材と共に、季節の食養生を大切にすることも、ストレス解消の要因の一つとなります。
- 理気→気を正常にめぐらせ、機能の停滞を改善する働き。(玉ねぎ、ピーマン、金柑、グレープフルーツ、シークワーサー、酢橘、ミカン、柚子、カジキマグロ、鮭、金木犀…など)
- 行気→気の巡りを向上させ、気機を正常に巡らせる働き。(紫蘇、韮、大根、ウコン…など)
- 活血→血を活性化させ、血液の循環を改善する働き。(納豆、栗、オクラ、クレソン、獅子唐、玉ねぎ、チンゲン菜、茄子、菜の花、韮、茗荷、レタス、プルーン、ブルーベリー、桃、アンチョビ、鰯、鰻、鮭、鯖、秋刀魚、シシャモ、牛肉…など)
- 養心→心の機能を円滑になるよう養護する働き。(小麦、蓮の実、龍眼、あん肝、ヒジキ、豚ハツ、トマト…など)
- 安神→動悸、睡眠障害など心神の不安を解消する働き。(玄米、小麦、アーモンド、蓮の実、龍眼、チンゲン菜、ユリ根、アサリ、あん肝、鰯、牡蠣、蜆、豚ハツ…など)